先日クライアント様からこんなご相談を頂きました。
「痩せたくてウォーキングや筋トレを頑張っているのに、過食してしまいました」
「自分の矛盾した行動に嫌になってしまいしまいます…」
「こんな時他の皆さんはどうしているんでしょうか?」
うんうん、そのお気持ちすごーーーーくよくわかります!!
ダイエットのサポートをしていると「痩せたいのに食べてしまう」というご相談、非常に多いです。
私自身ずっとダイエットと過食のループから抜けられず、パーソナルトレーナーになってからも自分の食欲をうまくコントロールすることができなくてとても悩んだ経験があります。
時にはそんな自分に嫌気がさしたり、責めてしまうことがあるかもしれません。
ということで今回はダイエット中の食べたい気持ちとの付き合い方、身体の栄養と心の栄養について書いていきたいと思います。
「痩せたいのに食べてしまう」クライアント様の状況
この「痩せたいのに過食してしまった」というご相談を頂いたのは、筋肉をつけるための増量期が終わり、2回目の減量期(体脂肪を落とす時期)を開始して3ヶ月ほど経過したタイミングでした。
2回目の減量期となると最初の減量期より体重も体脂肪率も少ないため、減量ペースは緩やかです。
最初の頃のように数値がどんどん減るような目に見える変化が出にくいため、ダイエットが辛く感じやすい時期でもあります。
減量期間とはいえ仕事もある、時々は旅行もするし、友人から食事のお誘いが来ることもあるでしょう。
でも体脂肪は落としたい。
そのためには美味しいものばっかり食べてるわけにもいかないし…。
そんな時、
「なんでこんなに一生懸命頑張ってるのに体重が落ちないんだろう」
「ダイエットが辛い。もう食べちゃえーーー!!」
という気持ちが起きやすくなるのです。
「痩せたいのに食べてしまう」そんな時に確認したい2つのこと
食欲をうまくコントロールできない時、考えられる原因は大きく分けて二つあります。
1つめは身体に必要な栄養素が足りていない場合。
2つめは本心では痩せたいと思っていない場合。
ここで「えー、意味がわからない!」と声が聞こえてきそうなのは、おそらく2つめの『本心では痩せたいと思っていない場合』の方だと思います。
順番に解説していきますね!
身体に必要な栄養素が足りていない場合
「よしダイエットするぞ!」と思った時、多くの方がまず最初に気にするのは食品のカロリー(エネルギー)ではないでしょうか?
カロリーを気にして食事量を減らすと栄養不足になりやすく、余計に食べたくなるという現象が起きてしまうのです。
身体は本当によくできていて、生きていくのに必要な栄養素が足りない状態になると脳が「栄養が足りない!もっと食べろ!」という信号を送ってきます。
これによってご本人がダイエット中でもお構いなし、意思とは裏腹に食欲は倍増し、痩せたいのに食べたい、食べるのをやめられないという状態に陥ります。
食欲を増進してたくさん食べさせることで、不足している栄養素を補おうとしているのです。
多くのダイエット本やダイエット指導者が「体脂肪を落とすには摂取カロリーを消費カロリーより少ない状態にすることが必要です」と説明しています。これは私の指導経験上も相違ありません。
ですが、だからといって単純に摂取カロリー<消費カロリーのアンダーカロリー状態にすればダイエットがうまく行くかと言われるとそうでもない、というのが難しいところ。
ちょっとイメージして欲しいのですが、痩せたいからアンダーカロリーの生活をしようということで3食カップラーメンを食べ、1日の総摂取カロリーを1200kcalにした方がいたとします。
3ヶ月後、1年後、その方はスリムでキレイな理想のボディラインになっていそうでしょうか?
残念ながら、あまりうまくいきそうな気はしませんよね…。
美容や健康面で問題が出てくるかもしれませんし、栄養不足で食欲がコントロールできなくなるかもしれません。
3食カップラーメンはちょっと極端な例でしたが…
実際のお食事改善レッスンの場面では、アンダーカロリーの状態をつくりながら、いかに必要な栄養素を過不足なく摂るか、というところにかなり気をつけながらアドバイスしております。
重要度が高いものを一部ご紹介すると
- タンパク質の総量が足りているか
- 糖質が適切な量、適切なタイミングで摂れているか
- 良質な脂質が適量摂れているか
- 食物繊維は摂れているか
- 食事と食事の間の時間が空きすぎていないか
- 微量栄養素は摂れているか
- しっかり咀嚼回数を確保できる食事内容か
このような内容をライフスタイルや食の好みも考慮して、これまでの食事とギャップが出過ぎないように調整しながら、無理なく続けられるよう個別にアレンジしてお伝えしています。
(厳しくしすぎると続かない、甘くしすぎると結果が出ない、まさに飴とムチの世界。これをご自分でやるのはなかなか大変なので、お困りの方は一度プロにご相談されるととってもスムーズですよ〜!とサラッと宣伝しておきます。笑)
例えアンダーカロリーでも栄養はリッチに、まずは食事の内容から見直してみるのがオススメです!
ダイエットがうまくいかない理由No. 1は続かないことです。
まず身体に必要な栄養素をしっかり摂ることから始めると、食欲に振り回されることが格段に減り、ダイエットを継続しやすくなります。
本心では痩せたいと思っていない場合
さて、意外に思われた方も多いであろう2つめ。
実は心の奥底では痩せたいと思っていない場合です。
「痩せたいと思っているのに食べちゃうから悩んでいるのに、本心では痩せたいと思っていないってどういうこと?!」
と思った方が多いのは重々承知しております。
実は私が長年躓いていたのもここだったので、もし栄養の知識が豊富で食事には人の何倍も気を遣っているのに、食欲が抑えられずに悩んでいるという方がいたらぜひここから先を読んでみてください。
あなたがダイエットを決意した時、なぜ痩せたいと思ったのでしょうか?
今よりもっとキレイになりたい、好きな服を着こなしたい、身体も気持ちも軽やかにやりたいことに邁進したい、結婚式で素敵な写真を撮りたい…
など、そこには何かしらの理由があったはず。
そんな理想を叶えたいとダイエットを始めたなのに、なぜか食べてしまう。
この矛盾が起きる心の仕組みを簡単に説明しますね。
日々起こることやそれに対するその人の反応には潜在意識という“普段意識に上がってこない意識“が大きな影響を与えています。
それに対して“自分が普段知覚している意識“のことは顕在意識と呼ばれています。
よくこういった氷山のイラストで説明されています。
行動したいのに行動できない、進みたいのに進めない時、実は自分が自覚していない心の奥底の願いがブレーキになってしまっていることがあるのです。
頭(顕在意識)では「痩せたい」「食べたくない」と思っているのに、心(潜在意識)では「食べたい」「痩せたくない」と思っていて、両者が全力で綱引きをしている状態がこの「痩せたいのに食べたい」現象のカラクリです。
実際に食べてしまうなら、潜在意識の「食べたい気持ち」の方が優勢ということです。
もう一度想像してみて頂きたいのですが
「痩せるためにこのヘルシーな食事を食べるよ」といっている大人のあなたがいます。
そんなあなたの前に「えー!おやつはいつもの甘いチョコがいい」「もっとお腹いっぱい食べたいよ〜」とぐずっている子供のあなたがいます。
最初は渋々大人のあなたの指示に従っていたかもしれませんが、毎日毎日「あれは食べちゃダメ!」「これは食べちゃダメ!」と言われ続けます。
大人でもうんざりしそうな状態ですが、相手は子供(感情)です。
我慢し続けた子供のあなたは「こんなのもうイヤだーーー!!」と癇癪を起こして大暴れ、ありとあらゆるものを気が済むまで食べまくり、とても手がつけられない状態に…なんてことに。
何となく伝わりましたでしょうか?
ダイエットを始めたばかりの時はモチベーションも高く、大人のあなたが主導権を握っていたかもしれません。
ですが、小さな我慢や抑圧が積み重なるとだんだんフラストレーションが溜まってきて、子供のあなたは徐々に言うことを聞いてくれなくなっていきます。
そして、過去にダイエットで辛い運動や厳しい食事制限を経験したことがある方なら尚更、この子供が言うことを聞いてくれなかったり、暴れ出しやすくなっていたりすることも…。
頭で考えている事と行動が一致していない時は、あなたの思考と感情が一致していない時です。
車で例えると、アクセルを踏みながらブレーキも一緒に踏んでいるような状態になります。
これではうまく目的地に向かって進めませんし、進んだとしてもすごくたくさんガソリンを消費してしまいますよね。
「痩せたいのにどうしても食べてしまう…」そんな時は、我慢しすぎていないか、ご自身に厳しい言葉がけをしていないか、一度振り返ってみてください。
「本当はどうしたかったかな?」
そんな風に自分に聞いてみて時々本心を叶えてあげたり、
「大人の私はこうしたい。子供の私はこうしたい。じゃあ、間をとってこうするのはどうだろう?」
こんな風に大人のあなたから新しいアイデアを提案してみるのも良いかもしれません。
スムーズに理想の体型を目指していくためにも、時々子供の自分(心)のご機嫌を伺ってみてくださいね!
まとめ
今回の記事ではダイエット中なのにうまく食欲をコントロールできない時、確認したい2つのことをご紹介させて頂きました。
身体の機能としてはタンパク質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルといった栄養素が足りていることが重要です。
そして、ダイエットを長い目で見てスムーズに進めていくためには、時々好きなものを食べたり、リフレッシュしたり、頑張っている自分を褒めてあげるといった心を満たす行為=“心の栄養”が必要です。
ダイエット中だからといって全ての楽しみを禁止するのではなく、適度に息抜きタイムを作って楽しみながらダイエットを続ける工夫をしてみてくださいね!
ちなみに…私は3日間同じ食べ物が食べたいという気持ちが持続したら、それがケーキでもポテトチップスでも一度あえて食べて、食べたい気持ちを満足させてあげることにしています。
このマイルールがあるおかげで「3日後にも食べたかったら食べよう」と思えるので、逆に食べずに済むことも。
衝動的な食欲は意外と持続しないものなんですね。
よかったらこの3日間ルール、取り入れてみてください!
それでは、あなたの身体づくりの道のりが楽しいものになることを応援しております!
ウェルネストレーナーのChieでした。